多ければ多いほどいい、か?
「多ければ多いほどいい」というのは、大量生産時代の価値観でしょうか。
量より質、というパラダイムシフトは、ここ最近よく聞かれることですね。
そもそも、日本という国自体が、人口減少で縮小していっている。
学校の数はどうでしょう。
ある市では、統廃合を積極的に行い、学校の数は「減少」してきています。
しかし、学校が地域からなくなると、その地域の活力が失われ、文化なども衰退していく、共同体の力が失われていく、という研究もあるようです。
少子化で、子どもの数は「減少」してきています。
そのことは、子どもたちにどのような影響を与えているのでしょうか。
消費活動は、どうでしょうか。
大量のものを消費するのではなく、ひとつのものを大事に扱い、長く使う。
しかし、電化製品を修理することはできず、スマホは何年かで新品のものと取り替える。
情報爆発で、情報の量は多くなっている。
大量の情報を処理しながら、絞って、スローに集中して味わうべきコンテンツもある。
学習内容などうでしょうか。
詰め込み教育、と批判されるような、大量の情報インプットはどうなのでしょうか。
まずは大量のインプットがないと、創造性もない、とおっしゃる方もいます。
取捨選択して、エッセンスの部分を学ばせて、あとは自分で考え出すなり、自分で大量のインプットを求めていくなりしたほうがよい、というふうにおっしゃる方もいます。
教室の人数は学力と関係ないかも、というOECDの調査結果があったようです。
日本は40人学級をなんとか脱しようとしてきました。
少人数学級を目ざす動きは今後も継続されるようですが、単純に考えて、ひとつの学校の中に生徒が多いほうが、多様性という意味ではよさそうです。
けれど、教員の目が届くかというと、やっぱり少人数学級のほうが、手厚く教育できそうです。
中学校の感触としては、少人数で学習してきた小学校の生徒が優秀だ、と感じたことがあります。
けれど、少人数で学習してきたのに……という場合もありましたから、一概に「少人数こそ学力を上げる道だ」とは言えないかとは思います。
教育を、テストの点数や進学先と短絡的に結びつけて語るのは危険なので、つっこんでは話したくありませんね。
量か質か、ではなく、量を目ざし、質も目ざす、ということを、業務改善をしながら行っていくことが必要かと思います。